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内側膝OAに対する足部

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内側型膝OAの保存の患者様では、どう足部について考えるべきなのか?

一般的に運動連鎖で考えると、

内側膝OAにより、脛骨は外旋、距骨下関節は回外により足部は内返し(内反)になっている。

しかし、臨床の現場では、内側膝OA保存の方では必ずしも同じ状況では無いように思える。それは特に、足部にみられる。

内反膝いわゆるO脚で股関節も外旋し、脛骨も外旋するが、足部は明らかに外返し(外反)している。さらに、偏平足の方もよくみる。

TKAをされる患者様の術前レントゲンを確認するとよくわかる。

そのような患者様に対して、どう足部に介入するだろうか。

よく見るのが、内側縦アーチを獲得するために、インソールを入れたり、後脛骨筋の筋力トレーニングなどではないだろうか。 しかし、この治療は必ず正しい選択肢だろうか。


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 運動連鎖で、足部から考えると、アーチサポートや後脛骨筋の筋力とレーニングにより、内側縦アーチの要石といわれている舟状骨が引き上げられ、踵骨が回外し、足部が内返しになると、下腿は外旋し、膝関節に関してはO脚方向に力が生じる。

逆に、踵骨が回内し、足部が外返しになると、下腿は内旋し膝関節に関してはX脚報告に力が生じる。また、内側膝OA患者は足部を外転・股関節を外旋することにより、膝内側への圧縮ストレスを軽減させるとの報告もある。

つまり、代償的に足部を外転し、外返しすることで、膝の内反ストレスを軽減しているということだ。もちろんどの患者様もそうなるわけではない。

では、もう一度考えてみよう。

本当に内側膝OAの方の足部を正中位に誘導することが正しいのか。

応えは△ではないだろうか。必ずしも足部外反により膝へのストレスを増大しているわけでもない。

また逆に、必ずしも代償的に外反しているわけでもない。つまり、ひとつの症状でも考え方が真逆になり得るということだ。

同じ症状がでていれば、同じ治療をしていれば良いと思っていると、まったく真逆の治療をするリスクがある。 足部の外反はいつから生じているのか。

また、足部外反を増強させて歩行した際は、膝への疼痛は増大するのか。

さらに、内反誘導した際は、どのような反応を示すのか。

歩行速度は?歩幅は?また、連続歩行距離は伸びるのか?患者様の元々の主訴に対して達成できているのか?また、代償的な方法・歩容を検討するなら、それによる二次的な障害も考慮したうえで患者様に提案する必要がある。

運動連鎖的に、こうなるだろうと断定せず、ひとつひとつ丁寧にtry&error、また仮説検証を繰り返していきながら介入する必要がある。

また、膝内側OAに関して、インソールや装具など様々な手段が現在も開発されつつあるので、うまくそのようなデバイス等も活用しながら、評価・治療をすすめていくことができれば良い。

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